投票用紙不足で韓国の地方選が混乱、法的論点も浮上
韓国の6月3日の地方選で複数の投票所が投票用紙不足に陥り、一部の有権者が投票できない事態となって抗議が発生した。選管当局は、これだけで開票停止や再選挙が自動的に正当化されるわけではないとする一方、影響の規模や結果への影響次第では法的争いと補償請求の可能性が残る。
韓国の6月3日の全国同時地方選挙は、異例の事務上の不備により影を落とした。複数の投票所で投票用紙が不足し、到着時点で投票できない有権者が出たためだ。この出来事を受け、果川(クァチョン)の中央選挙管理委員会(NEC)庁舎周辺や、ソウルの少なくとも1カ所の影響を受けた投票所の外で夜通し抗議が行われ、参加者は開票の停止と再投票を求めた。 NECによると、投票用紙の不足はソウル市内の14投票所で発生し、松坡(ソンパ)、江南(カンナム)、瑞草(ソチョ)などの区が含まれる。最大野党「国民の力」は、問題はソウルにとどまらず仁川(インチョン)や京畿道(キョンギド)にも及んだと主張しているが、全国的な範囲や影響を受けた有権者数について、出典では確認されていない。 今回の論点は紙が足りなかったことだけではない。民主的選挙の根幹である「有権者が自由かつ平等な条件で選択できる」原則にも関わる。韓国では主要放送局が公式の投票終了時刻前後に出口調査の予測を公表する。投票が遅れ、予測が公表された後に投票することになった有権者がいた場合、特に僅差で勝敗が決まる地方選では、「自由選挙」の原則が問われかねないと批判側は指摘する。 NECは6月4日未明、投票用紙不足は選挙の延期や自動的な再選挙命令の法定事由には当たらず、進行中の開票を止めることもできないとの見解を示した。開票終了後に経緯を明確化し、再発防止策を準備するとしている。 出典で引用された法曹関係者によれば、選挙争訟は実務上、「影響を受けた有権者がどれほどいたか」「不正・不備が結果を変え得たと合理的に言えるか」という2点が争点になりやすい。韓国の選挙法には、不可避の事情で投票が実施できなかった場合や、投票箱が紛失・破損した場合に、特定の投票区で再投票を行う規定がある。投票用紙不足がこれらに該当するか、また結果を覆し得る程度に達するかは、争われる可能性が高い。 再選挙の是非とは別に、責任問題もあり得る。行政上の過誤で投票できなかった場合、政治的権利の侵害として国家賠償請求につながる可能性がある。故意の不正を示す証拠がない限り刑事処罰は考えにくいものの、行政上の責任追及や民事上の請求が続く余地は残る。 李在明(イ・ジェミョン)大統領もコメントし、選挙管理に重大な穴が生じたことに強い遺憾の意を示すとともに、関係機関に対し原因と責任の究明、迅速な対策の準備を求めた。 海外の読者にとって今回の出来事は、高度にデジタル化した社会であっても選挙当日の基本的な物流に依存していること、そして出口調査のような情報が決まったスケジュールで公表される中で手続きが破綻すると、信頼が揺らぎ得ることを浮き彫りにしている。
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